
昨今の働き方改革・DXの推進で建設業の仕事も大きくイメージが変わってきました。
さらにAI時代を迎えた今、AIに仕事が奪われる職種も徐々に出始めているなか、AIでは代替の効かない仕事として建設業への注目も高まりつつあります。
「就活で建設業界が気になる・・・、土木工事って実際どんな仕事・・・?」など興味・疑問をもつ学生の方に向けて、土木建設業の仕事とその魅力を紹介します。
1. 土木工事とは?
土木工事は、社会の基盤をつくり、人々の生活を支える仕事です。具体的には以下のような事業があります。
- 道路や橋、トンネルの建設
- ダムや堤防などの河川・水資源工事
- 港湾や空港の整備
- 下水道や上下水道などライフラインの整備
スーパーやコンビニに多くの商品が並ぶためには、効率的な物流網が必要で大型トラックが走れる道路が必要です。大雨や台風など災害が起きても最小限の被害で食い止めるためには、河川の工事や治山工事などが必要です。また、地域経済の発展のためには港や空港の整備も必要になります。つまり、土木工事がなければ「安心して暮らせる社会」や「便利な生活」は成り立ちません。土木建設業は、人々の暮らし、あらゆる産業の基盤をつくる仕事なのです。
2. 仕事の流れ
土木工事の仕事は、単に「ものを作る」だけではありません。チームで協力しながら、一つのプロジェクトを形にしていきます。
1. 設計図書照査・施工計画策定
設計図書と現況を照ら合わせながら、地質や周辺環境、施工条件を精査し、最適な工事計画を立てます。工程表、材料・機械・人員のリソース調達計画、品質・出来形管理基準値の設定、安全管理の計画などをまとめます。


2.準備・仮設工事
着工に向け工事に必要な環境を整えます。よくあるのは、工事用道路の整備、現場事務所の設置、工事看板の設置などです。安全性や効率性、現場作業員の方々が快適に仕事に専念できる環境を作っていきます。
3.本工事着工
仮設工事が完了したらいよいよ本工事の着工です。施工に必要な機械を搬入し、施工計画に沿って工事を進めていきます。現場に入る作業員には、必ず新規入場教育を実施し工事内容を把握してもらうとともに安全面での注意などを指導します。


4.出来形検測
施工したものが設計通りの仕上がりになっているか要所要所で確認をします。特に土木工事は、完成後、地中の中など目に見えなくなり分からなくなる部分も多いです。そのため、設計の基準を満たした施工になっていることを写真などとって記録に残すことが重要です。
5.KY活動・安全パトロール
現場環境も施工進捗に応じ日々変化します。そのため、その時その時で取られるべき安全対策が実施されているか現場任せでなく会社としてしっかりと確認・フォローするようにしています。また、日々のKY活動を通して安全意識向上、事故防止に努めています。


6.施工管理
安全・品質・工期・費用を管理していく必要があります。
安全や品質は4、5で紹介した活動を通じ管理していきます。工期・費用については、週次・月次で進捗と工事原価の消化率など分析しながら工事費用の着地見通しをたて必要なアクションを検討していきます。
7.完成検査・納品
工事が完成したら、公共工事の場合は検査官に現場立会をして頂き、最終的な完成検査を実施頂きます。成果物となる書類や現場の仕上がりを確認していただきます。無事、検査に合格すると、ようやく工事が完了することになります。大規模な工事だとこの完成検査が終わると肩の力が抜け重圧から解放されるとともに達成感を感じる瞬間でもあります。

3. 土木工事の魅力
① 社会貢献度が高い
完成した道路や橋を人々が利用する姿を見ると、自分の仕事が社会の役に立っている実感が得られます。
② 形に残るやりがい
自分が携わった建造物が何十年も残る——これは他の仕事にはない大きな魅力です。
③ チームワークで成し遂げる達成感
現場は多くの職種・会社が関わる総合力が求められます。そのため、各人のプロフェッショナルな意識と様々な問題に協力して立ち向かうコミュニケーション力も重要です。
1人では到底成し遂げられないような大規模な工事も完成を迎えるとチームワークの神髄を感じることができます。その達成感は格別なものです。
④ 技術とキャリアが磨かれる
施工管理技士や建設業経理士など、資格を取得しながら専門性を高め、キャリアアップできます。建設業は人手不足の課題がある業界で、スキルを身に着けたら引く手あまたであることは間違いありません。DX、AIで建設業の仕事の在り方も変化し、今後、人気業種の1つになっていくことが期待されます。
4. こんな人に向いている!
- チームで協力するのが好きな人
- コツコツと努力を積み重ねられる人
- 形に残る仕事をしたい人
- 社会に役立つ仕事を求めている人
まとめ
土木工事は「人々の生活を支え、未来の社会をつくる」やりがいのある仕事です。新卒で現場に飛び込めば、最初は覚えることが多いですが、その分自分の成長を実感しやすく、長期的に誇れるキャリアを築くことができます。
就職活動中の皆さん、ぜひ土木工事というフィールドに目を向けてみてください!