
遠隔操作システム「K-DIVE」の視察
産業資源循環協会鹿児島支部・宮崎支部の青年部協議会合同で遠隔操作システム「K-DIVE」を視察致しました。
今回は、永田重機土木株式会社様を訪問させて頂きました。運営されている処分場で稼働している遠隔操作システムを実際に体験しながら、特徴や実用化に向けての課題や活用方法など幅広く意見交換をさせて頂きました。協議会会員ごとで様々な視点、課題感を持っている中で情報交換ができ大変有意義な視察となりました。
永田重機土木様には、このような機会を提供頂き改めて感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
「K-DIVE」とは

「K-DIVE」とは、コベルコ建機様が提供する重機の遠隔操作システムです。従来、現場で重機の運転席にオペレータが座り操作していたものが、今や本社など現場から離れた場所で重機を遠隔操作することが実現されています。
遠隔操作のメリット
- 現場から離れた安全かつ快適な場所で業務ができる
- 複数の重機を1人のオペレーターが担当することができる※チャンネルを切り替えることで重機A、重機Bを交互に操作可能
- 画像データや操作データを蓄積しデータ分析を通じて課題の見える化ができる
遠隔操作システムを活用すると上記のようなメリットを得られます。
安全・快適な場所
安全かつ快適な場所で業務ができるというのは、建設業においては採用課題の解決策の一つになりうるものです。昔ながらの3Kのイメージも昨今はだいぶ薄くなってきてはいます。とは言え、まだまだ、働く環境としてネガティブなイメージが先行しがちな業界でもあります。実際の遠隔操作システムでの作業風景を見させていただき、若手人材にも「これだったら、おもしろそう」「働きやすそう」という良いイメージを持っていただけるのではないかと感じたところです。
複数重機を切り替えて遠隔操作
また、チェンネルを切り替えながら複数の重機を交互に操作できる仕組みになっています。この仕組みは、オペレーターの生産性向上に直結するので大きなメリットだと思いました。実際の弊社現場ではオペレータが常時、重機を操作し続けるというのは珍しく、地上作業が完了する手待ち時間なども多いです。時にはオペレーターが地上に降り、手作業部分の支援に回ったりなどの動きもあります。遠隔操作システムを使えば、オペレーターが重機作業に専念することも可能になり、生産性の向上、賃金の引き上げなどもしていけるのではと感じました。
画像・操作データの分析
画像データ・操作データを分析していくことで、従来できなかった課題発見や改善案の検討も可能性が広がると思います。今まで熟練のオペレーターと新人の違いがどこにあるのかはっきりしなかったところが、客観的に可視化されたり、効率的な作業手順をマニュアル化したりなど人材育成のしかたも変化していく期待が持てました。
視察風景

あいにくの雨でしたが、遠隔操作の実機が無人で動いている様子を見させてもらいました。やはり無人で動いている姿は何とも不思議な光景で安全管理の面でも考え方が変わってくるなと感じました。

遠隔操作の運転席は、重機の傾きや振動なども再現されており臨場感、現場感覚に近づける工夫がされていました。とは言え、本当の感覚とは異なる部分もあります。現場での運転に慣れているオペレーターには違和感があり抵抗もありそうです。どちらかと言うと経験の浅い若手オペレーターなどが、最初から遠隔操作に慣れていくとパフォーマンスを発揮しやすそうな気がしました。あと、モニター部分にカメラが設置されています。このカメラで目線を追尾しており、目線が外れるとアラートが出されるのも面白い機能でした。
まとめ
遠隔操作システムについては、すでに産業廃棄物処理場などで実用化が進んでいるところです。一方で、弊社のような土木工事現場での活用を考えた場合、通信環境の構築・維持、費用対効果など実用にむけた課題は検討が必要な部分もあります。しかし、遠隔操作システムには可能性を非常に感じるものでした。引き続き、最新情報をキャッチアップしていきたいと思います。
